なかむら胃腸肛門クリニック


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顆粒球吸着療法とは

顆粒球吸着療法

この治療は、血液の一部を体外へ取り出し、白血球の中の特に顆粒球・単球を選択的に除去する医療機器(製品名:アダカラムⓇ)に通過させ、その後血液を体内に戻します。顆粒球吸着療法は、GCAP(ジーキャップ)やGMA(ジーエムエイ)とも呼ばれています。潰瘍性大腸炎・クローン病の場合、血便や下痢、腹痛などの症状や内視鏡所見の改善が期待されます。

潰瘍性大腸炎の治療として、これまでステロイド剤等の薬物治療が中心に行われてきましたが、薬物療法で効果が得られにくい場合や、副作用等の理由で薬物を減量したい患者さんが、この療法の適応となります。

クローン病では、栄養療法や薬物治療で効果が得られにくい場合や副作用等の理由で薬物が適用できない大腸に主病変のある患者さんが、この療法の適応となります。

顆粒球吸着療法に要する時間は約60分です。潰瘍性大腸炎では下痢や血便の激しい活動期には週1~2回のペース*で、症状が落ち着いた寛解期には2週間に1回のペース*で治療を行います。クローン病では活動期に週1~2回のペース*で治療を行います。

*患者さんの症状等により治療頻度およびスケジュールを決定します。

よくあるご質問

治療にはどれくらいの費用がかかりますか?

潰瘍性大腸炎、クローン病、膿疱性乾癬は指定難病です。「特定医療費(指定難病)受給者証」を持っている患者さんの場合、公費による助成が受けられます。受給者証を持っていない患者さん、または乾癬性関節炎の患者さんは、原則、通常の3割負担となります。高額療養費払い戻し制度の対象となる場合がありますので、加入されている健康保険組合にご相談ください。

感染などから身を守る顆粒球(白血球)を除去しても大丈夫ですか?

顆粒球の寿命は短く、常に骨髄から供給されています。また血液プール(骨髄から供給された血球を一時的に保存しておく場所)から新たに顆粒球が動員されるため減少することはありません。治療終了時には、ほぼ治療前の数に戻っています。

針を刺すときの痛みを軽減する方法はありませんか?

血液を出す血管と返す血管を確保するために、原則両腕に針を刺すこととなり、多少の痛みを感じることがあります。そのような痛みを軽減させるために、治療開始前に貼付もしくは外用の局所麻酔剤を使うことがあります。痛みが心配なときはご相談ください。

顆粒球吸着療法の治療中は、薬の服用を中止したほうがいいですか?

5-ASA製剤やステロイド内服薬でも炎症が抑えられなかった患者さんでもご使用になれます。またステロイド内服薬を開始と同時にGMAを併用することもできます。そのほか服用しているお薬があればご相談下さい。

顆粒球や単球だけでなく赤血球も除去されてしまいますか?貧血が悪くならないか心配です・・・

赤血球はほとんど吸着除去されませんが、治療を受ける際にはご相談ください。