下部消化管内視鏡検査です。全例静脈麻酔下(運転の方を除く)にて、肛門より、直腸・S状結腸・下降結腸・横行結腸・上行結腸・盲腸・回腸末端を観察します。
病変がある場合には、色素を散布したり、NBI (狭帯域光観察)、拡大内視鏡にて診断をより明確に行い、必要に応じて生検(組織をつまみ細胞を診断)致します。
また、大腸癌になる可能性のある腺腫はその時点で、ポリープ切除術(日帰り手術)を行なっています。また、切除したポリープは良性、悪性、組織型などを病理医にて診断します。尚、当院で切除不可能なポリープは他院へ紹介しております。
日本における大腸癌の罹患率は悪性腫瘍の第1位であり、死亡率は第2位で、現在も増えつつあり、当院では年間沢山の大腸癌が見つかっております。潰瘍性大腸炎、クローン病も年間沢山見つかっております。早期発見の為には、下血や便通異常があったり、40歳過ぎれば大腸癌の発見率は上がるため、便潜血検査の結果関係なく検査が必要になります。
紙に着く出血・排便時の出血など、痔と思われる出血でも、肛門から近い直腸やS状結腸の病変からの出血と混在していることがあります(大腸癌は直腸からS状結腸で70%を占めます)
大腸癌ははやくて30代からみつかり、40代以上からS状結腸や大腸癌のリスクは増加傾向になります。早期大腸癌は無症状であることが多く、少量の下血やたまたました検査で見つかることが多いです。
進行大腸癌は、小さなタイプでは早期大腸癌と同様無症状のこともあり、出血・便通異常といった症状がみられる頃には、かなり進んでいることも少なくありません。
また、難病指定である潰瘍性大腸炎やクローン病といった慢性炎症性腸疾患(IBD)は、10代から40代に出血や便通異常などで多くみられ、最近では60代以上の方にもみられるようになっています。いずれも早期発見には、定期検査が必要です。
また便潜血検査が1回でも陽性であれば、大腸に病気が存在する可能性があります。ここ数年、大腸内視鏡検査をされてない方は是非検査をお勧めします。
直腸炎・大腸炎・回腸炎、直腸潰瘍・大腸潰瘍・回腸潰瘍、虚血性腸炎、結腸憩室症・結腸憩室炎、腺腫、直腸カルチノイド、直腸癌、大腸癌、潰瘍性大腸炎、クローン病、過形成ポリープ、脂肪腫、筋腫、結腸メラノーシスなど
※大腸内視鏡検査の不安な方へ
大腸カメラ検査がつらい方には、静脈麻酔をかけ、患者様の状況(過去に手術歴のある方、腸管の狭い方、大腸の折れ曲がりが強い方など)に合わせて、カメラの長さ・硬さを変えながら痛みが非常に少ない検査を心がけております(当院は3本の大腸内視鏡を常備しております)。挿入困難を経験された方も多く来院されています。
検査は予約制になります。受診した際にご予約ください。お電話でもご予約できます。検査の5日前までに1度受診が必要になります。ただし、抗凝固剤(血の流れを良くするお薬)を複数内服の方は、検査の20日前までに、1度受診が必要になります。予約時には内服薬をお伝え下さい。
前日食事は、検査食もしくは低残渣食など、おおよそ2食で済ませて頂きます。
検査食(glico エニマクリンCS)は、朝食はなし、昼食はゼリーとビスコ、夕食は煮込みハンバーグと白がゆになります。
食後〜就寝前で下剤(眼薬タイプの溶液下剤をコップ一杯に滴下した水)を飲んで排便し、休んで頂きます。
朝7時〜9時より、水で溶かした規定の下剤1.8Lを2時間かけ内服し、繰り返し排便して頂きます。検査90分前には来院してもらい、排便の色をナースがチェックします。綺麗になれば検査が可能です。(便が残ってますと充分な観察になりません。頑張って下剤を飲みましょう。なお、検査順番がある程度前後することはご了承下さい)
※ご注意ください
麻酔を使用した場合は、車、バイク、自転車の運転は禁止になります。当日運転して来られた方は、無麻酔の検査、もしくは一旦帰って頂き改めて来院していただきます。車、バイク、自転車の保管などは出来ませんので予めご了承下さい。
点滴をとりモニターをつけ、左下横向きになってあと麻酔をかけ、検査を始めます。
回腸(小腸)末端もしくは盲腸まで肛門より5分前後で到達し、引きながら 回腸末端→盲腸→上行結腸→横行結腸→下行結腸→S状結腸→直腸→肛門と観察していきます。
途中、ポリープがあれば、NBIで診断の上切除します。切除後はクリップで傷をふさぎます。また、炎症・腫瘍などの病気があれば生検をし、病理診断を致します。
所要時間は観察だけなら約15分、ポリープなどあれば20分から25分ほどで終了致します。
検査終了後、30分から1時間休んで帰って頂きます。
病理診断の結果は、2週間後の来院時にお伝えします。
※料金には診察代は含まれていません。